1.地震について
地球の表層を形作るプレートの動きが原因で発生する地震は、世界各地で日々発生するまれな現象ではありません。
しかし、地震の頻度や規模には国や地域によって大きな開きがあり、一部の国では地震に脅かされる日々を送らなければならないのが現状です。
M5.0以上の地震であれば人的被害や物的被害が発生するリスクが高く、防災対策が必要不可欠だと考えられているため、マグニチュード5.0以上の比較的大きな地震の発生件数を集計しました。
2.地震発生数ランキング
順位 | 国名 | M5.0-5.9の発生数 | M6.0-6.9の発生数 | M7.0以上の発生数 | 合計発生数 |
---|---|---|---|---|---|
1 | インドネシア | 5,211 | 381 | 15 | 5,607 |
2 | 日本 | 2,895 | 193 | 15 | 3,103 |
3 | トルコ | 1,014 | 118 | 5 | 1,137 |
4 | イラン | 662 | 96 | 2 | 760 |
5 | メキシコ | 503 | 53 | 4 | 560 |
6 | ペルー | 433 | 59 | 2 | 494 |
7 | チリ | 391 | 42 | 4 | 437 |
8 | アフガニスタン | 304 | 57 | 2 | 363 |
9 | パキスタン | 312 | 39 | 2 | 353 |
10 | ロシア | 301 | 39 | 1 | 341 |
ランキングの条件
- 対象期間は2018年1月1日から2022年12月31日までの直近5年間
- 集計対象はマグニチュード5.0以上の地震のみ
- 国土面積1万km2未満の小国は除外
- 領土紛争のある地域の地震はすべて除外
1位 インドネシア
太平洋プレート、ユーラシアプレート、インドプレート、フィリピン海プレートなど、4つの主要なプレートの会合点に位置するインドネシアは、世界有数の地震国です。特に環太平洋造山帯の一部を占めるスマトラ島やジャワ島周辺で地震が多発しており、統計でも年間1000件を超える高発生数となっています。2004年のスマトラ島沖地震(M9.1)は観測史上最大級の規模で、インド洋津波の発生原因となりました。
2位 日本
日本は環太平洋造山帯に位置する島国で、複数のプレート境界が国土付近に存在するため世界でも有数の地震国です。特に東日本の太平洋沖では、プレートの沈み込みに伴う地震が頻発しており、有感地震の年間発生数は1000回を優に上回ります。2011年の東日本大震災(M9.0)は、日本で観測された最大級の地震であり、未曽有の大津波被害をもたらしました。
3位 トルコ
トルコはユーラシアプレートとアラビアプレートの境界に位置し、頻繁に中規模以上の地震に見舞われています。イスタンブール周辺ではM7級の巨大地震が発生する可能性が高いと指摘されており、1999年の東部地域でのM7.6とM7.2の直撃地震では、膨大な被害が出ました。トルコは地震リスクの高い国として知られています。
その他
地震の多発するイラン、メキシコ、ペルー、チリ、アフガニスタン、パキスタン、ロシアなどの国々が上位に入っています。これらの国々は地理的にプレート境界に近いことが主な原因です。
3.地震に対する備え
地震に備えるためには、以下のようなことを心がけることが重要です。
【備蓄品】
・飲料水 ・簡単に食べられる食料品(レトルト食品、缶詰、乾パンなど)
・携帯トイレ、簡易トイレ
・暖房用品(ストーブ、カイロなど)
・医療品(常備薬、救急箱など)
・ラジオ、懐中電灯、乾電池
【家庭での安全対策】
・家具の転倒防止
・ガラスの飛散防止(窓ガラスに飛散防止フィルムなど)
・ブロック塀の倒壊防止
・避難経路の確保
・家族で避難場所や連絡方法を確認しておく
【住宅の耐震化】
・住宅の耐震診断を受け、必要に応じて補強工事を行う
・耐震性が不安な古い住宅は計画的に建て替えるなどの対策が必要
【地域でのネットワーク作り】
・町内会などで助け合いのネットワークづくり
・災害時要援護者の把握と支援体制の構築
【防災教育の実践】
・家族で防災について話し合う
・学校や職場での防災訓練に参加する
・自治体が実施する防災講習に参加する
このように、備蓄品の準備から住宅対策、地域でのネットワーク作りまで、多岐にわたる準備が大切です。
特に事前の備えが不十分だと、災害発生時にパニックに陥ったり、適切な行動がとれなくなる危険があります。
平時からしっかりと地震への備えを行い、災害に備える心構えを持つことが重要となります。